大分中央ロータリークラブ

2024/4/2 会長の時間

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 以前にも一度皆様の前でお話いたしましたが、地震の揺れについて共振現象のお話を再度させてい
ただきます。
 共振現象とは、エネルギーを有する系が外部から与えられた刺激により固有振動を起こすことです。
 詳しく言うと、固有振動数と同じ周波数で振動を与えた場合に、加えた振動の大きさよりもはるかに大きい振動(数十倍)が発生する現象のことを言います。

 この図は、錘をバネで吊り下げたものですが、この錘を下に引っ張って離すと錘が上下に振動いたします。その動きを示したものがこのグラフになります。そして、1秒間に何回上下するかの回数(振動数)を周波数(Hz)と言います。皆さんがよく耳にするのは電気の周波数で、西日本では60Hz、東日本では50Hzということ等はご存じだと思いますが、グラフにすると同じことになります。これも一種の固有振動数と思ってください。
 ではここで、地震との関係性を説明いたします。地震にも固有振動数があり、その地震の持っている固有振動数と建物の固有震度数が一致もしくは近いと建物が激しく揺れて、倒壊してしまいます。その例をこれから動画で見てください。
 この動画のように、今回のような内陸型地震の場合には、小刻みに揺れて固有振動数が大きいため、比較的低い建物が倒壊します。
 ですから南海トラフのような震災の場合には、東北の震災と同じように大きく揺れるため振動数が低くなり、高い建物が大きく揺れて、低い住宅等は倒壊しにくいということになります。ただし津波は別途考慮する必要があります。
 私は東北の震災の発生時に東京に出張しておりましたが、低いビル等の部屋に入った際に天井から吊り下げていたワイングラス等が全く落ちておらず、無傷でした。これは固有振動数が一致していないためにほとんど地震によって揺れていないことを示している例になります。
 また熊本地震のような内陸型地震は、固有振動数が大きいことから固有振動数の大きい低層の建物が共振してしまいます。つまり今回の能登半島地震と同じようになるわけです。よって建物に設置する免振用ゴムダンパーなどは、この固有振動数を小さくする働きなどがあり、内陸型の地震等には強い構造物になります。
 このようなことを知っていますと、地震に遭遇した際や皆様が家やビルを建築される際にいろいろお役に立つことと思いますので。是非参考にしてみて下さい。