大分中央ロータリークラブ

2024/8/6 会長の時間

2024/8/6 会長の時間

ー不易流行(ふえきりゅうこう)ー臆することなく挑戦しよう!

 本日は原爆の日です。今から79年前の今日1945年8月6日午前8時15分、原爆を搭載したB29によって投下されました。これは人類史上初の都市に対する核攻撃であり市民16万人が死亡したと言われています。本日は原爆の日に当たり、平和についてちょっと違う角度でお話したいと思います。
 皆さん、ピカソはご存じでしょうか?スペインで生まれて、その後フランスへ渡り創作活動していました。ピカソは画家としての才能はズバ抜けていましたが、女性関係にルーズな所があり、愛人が何人もいたと言われています。代表的な絵画で「泣く女」という作品がありますが、このモデル(ドラ・マール)も愛人の一人です。
 そんなピカソですが、フランス万博が開かれる際スペイン館に絵を提供して欲しいとの依頼があり、作り上げた作品が世紀の問題作であり物議を醸しだした「ゲルニカ」です。縦3.5m横7.8mの巨大な壁画で、当時同棲していたドラと作ったと言われています。
 当初は政治や思想に関係ない物を作るつもりだったようですが、その時期スペインでは内紛が起きていて、自分の生まれ育った故郷ゲルニカがフランコ率いる右派とそれに加担したドイツにより無差別攻撃が行われ、多くの市民が殺害された影響を受けて、戦争の悲惨さやファシズムの残酷さナチスへの抗議の為に「ゲルニカ」は作られました。
 この絵には沢山のメッセージが込められ、戦争に対する抗議の象徴とも言われています。2003年2月国連本部において、イラクへの軍事攻撃の正当性を説明するためパウエル国務長官が演説している背後のゲルニカに暗幕が掛けられていました。戦争の正当性を訴えかけている背後に、戦争に対する抗議の象徴でもあるゲルニカがあってはマズイとの判断で掛けられた物だと思います。その後、イラクには化学兵器を作っているとの事実は無かったそうです。無意味な戦争で多くの命が失われました。
 大義名分を掲げた戦争はあり得ないと思います。原爆の日に当たり、平和について考えてみてはどうでしょうか。