大分中央ロータリークラブ

2026/3/3 会長の時間

2026/3/3 会長の時間

品格そして魅力あるクラブへ

 水と衛生月間
1.世界が直面する「水と衛生」の危機
 UNICEF やWHO の調査によると、2020 年時点で世界では約20 億人が基本的な衛生設備を利用できていません。そのうち約6 億7,300 万人は、今もなお屋外での排泄を余儀なくされています。
 劣悪な衛生環境は、コレラ、赤痢、A 型肝炎、ポリオといった感染症を蔓延させます。驚くべきことに、世界人口の10%が「未処理の廃水で育てられた食品」を口にしているのが現実です。その結果、毎年約30 万人近い5 歳未満の子どもたちが、防げるはずの下痢性疾患などで命を落としています。
2.真の「成功」を導くためのアプローチ
 私たちが奉仕活動を行う際、単に「物」を送るだけでは解決しません。重要なのは、以下の3 つの視点です。
・住民主体の意思決定: 何が必要かを押し付けるのではなく、地域住民、特に女性を交えて「何が重要か」を共に考えること。
・一方向ではない教育: 資料を配るだけのレクチャーではなく、参加型の学習を通じて「行動の変化」を促すこと。
・自立を妨げない支援: すべてを補助・寄贈するのではなく、現地の市場やビジネスを尊重し、持続可能な仕組みを作ること。
これらは、私たちがプロジェクトを立案する際の「成功のヒント」となります。
3.日本に目を向けて:災害と子どもたちの課題
 さて、目を日本に向けてみましょう。私たちは決して無関係ではありません。
 「もし今、大規模な災害が起こったら?」 水が止まればトイレは使えなくなり、避難所での健康管理は一気に困難を極めます。その時、地域のリーダーであるロータリアンに何ができるでしょうか。
 また、日常生活においても、学校のトイレ環境や衛生習慣への不安から、トイレを我慢してしまう子どもたちが増えているという現状もあります。次世代を担う子どもたちのために、私たちができる支援の形はもっと身近なところにあるはずです。
4.豊かな水を守る「森林保護」という視点
 さらに、視点を広げれば「森林の保護」も重要な奉仕です。現在の日本の山々は、戦後に植えられた杉などの針魚樹が目立ちます。しかし、水を育む力を高めるには、広葉樹の植樹が必要です。広葉樹の森は「緑のダム」と呼ばれ、良質な地下水を蓄え、私たちの生活を守ってくれます。
 「水と衛生」の奉仕は、井戸を掘ることだけではありません。
・学校での衛生教育の支援
・災害への備えと地域のネットワーク構築
・水源を守るための植樹活動
 これまでの伝統的な奉仕を大切にしながら、こうした「新しい奉仕活動」を、皆さんと一緒に考えてみてはいかがでしょうか。